就業規則に基づかない賃金減額に対する承諾が有効とされるのは、どのような場合なのか?

賃金減額に対する労働者の承諾が、自由意思に基づくものと認められる合理的理由が客観的に存在するときに限り、有効と解すべきであるとされた事例
(平成12.12.27 東京高裁判決 更生会社M埠頭事件)
判決の要点
賃金の減額・控除に対する承諾の意思表示
労働基準法24条1項本文は、いわゆる賃金全額払いの原則を定めているところ、これは使用者が一方的に賃金を控除することを禁止し、もって労働者に賃金の全額を受領させ、労働者の経済生活を脅かすことがないようにして、その保護を図る趣旨に出たものであると解されるから、就業規則に基づかない賃金の減額・控除に対する労働者の承諾の意思表示は、賃金債権の放棄と同視すべきものであることに照らし、それが労働者の自由な意思に基づいてされたものであると認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するときに限り、有効であると解すべきである(最高裁昭和48年1月19目第二小法廷判決、最高裁平成2年11月26日第二小法廷判決)
就業規則に基づかない賃金減額に対する承諾が有効とされるのは、どのような場合なのか?関連ページ
- 業績不振等を理由に、役職手当等を一方的に打ち切ることは許されるのか?
- 「責任手当を支給することがある」旨定められている手当は、一方的に支給を打ち切れるのか?
- 給与減額説明会や減額の通知に対して異議を述べなかった場合は、減額の同意が認められるのか?
- 賃金規則の変更が合理的な内容であれば、月額賃金を引き下げる
- 2度にわたる賃金減額の提示・告知に異議を述べなかった場合、減額の合意が認められるのか?
- 基本給の一方的減額に対して異議を述べず受領した場合は、黙示の承諾と認められるのか?
- 業績悪化に対応するための経営合理化の一環として、賃金調整をすることは許されるのか?
- 賃金減額に対する外形上の黙示の承諾が否定された事例があるのか?